Story

「Hue Rain」とは、「色彩の雨」という意味です。

私は、ある景色に感動したときに、まるで世界に「色彩の雨」が降っているかのような感覚を覚えたことがあります。そのときの体験は、とても心地よく幸せなものでした。

2011年、東日本大震災が発生したとき、私は東京に住んでいました。翌日、私は絵を描きました。誰かに「色彩の雨」を届けたいという思いから、必死に描いたのです。その後、震災のチャリティー展が開かれることを知り、私は迷わず自分の「色彩の雨」の絵を出品しました。初めて作品に値段をつけて展示することは怖かったですが、その絵は見知らぬ女性に購入されました。私は驚きと感動で涙が止まらなかったのですが、その女性は優しく「何も言わなくても伝わるわ」と言ってくれました。

その後、私は初めての個展「色彩の雨展」を開催しましたが、未熟だった私は展示を終えるとすぐに東京を離れ、日本の小さな離島で暮らすようになりました。

旅と暮らしを融合させながら生活していた私は、グランドキャニオンで出会ったネイティブアメリカンのドリームキャッチャーに深い感銘を受けました。自然素材を編み合わせた魂のお守りに心が震えた瞬間、私はもう一度「色彩の雨」の思いを込めて、私自身が作るドリームキャッチャーを作り、人々に届けたいと決意しました。

旅行に必要なリュックにかぎ針を入れ、アジア中を回りながら、ドリームキャッチャーを仕立てるための自然素材を探しました。1年間かけて試作を繰り返し、ようやく納得のいく作品ができ上がり、タイでオンライン販売を開始しました。最初に購入してくれたのは、私の友人でした。

オーダーメイドの制作をいただくようになり、お客様との関係で感謝の循環を体感しました。そこで、もっと人々に寄り添えるものを作りたいと思い、アクセサリー制作・販売を始めました。私の友人が金属アレルギーを持っていたので、アレルギーの起きにくい素材を使って軽くて着け心地の良いアクセサリーを作りました。

タイの手紡ぎ糸を使っていたのですが、生産が停止してしまいました。そこでヘンプ糸にこだわるのではなく、肌にやさしい軽い素材を選び、人々の暮らしにフィットするアクセサリーを作りたいという視点で、新しい道を探しました。そんな中、シルクに注目しました。シルクは、敏感肌の人でも身につけられる素材であり、人間の肌に近い成分を含んでいることがわかりました。また、家蚕ではなく森に生きる野生の蚕の繭から作られたワイルドシルク糸に心惹かれました。この糸は、上品でありながら素朴さが残る美しい質感を持っていました。ワイルドシルク糸は、Hue Rainの作品に新たな扉を開いてくれたのです。

その後、イタリアで2年暮らし、現在は日本に戻ってきました。そのタイミングで、私が編んでいたワイルドシルクの取り扱いがなくなりました。私が求める細さ、撚り回数、風合いの糸に出会えませんでした。駆け込んだ絹糸精錬会社の社長さんから、養蚕文化の衰退と、ワイルドシルクの流通の激しい減少についてお聞きして、「その文化は使う人がいなくなったら消えてしまう」「オリジナルの糸を作ることができる」という言葉に突き動かされ、ワイルドシルク糸のオリジナル生産に踏み出しました。多くの方に助けられ、糸を完成させることができました。

自分自身が心地よく感じられる状態でいることは、自分自身だけでなく周囲の人々にも良い影響を与えることができると思います。心地よい気持ちのときは、自然と良いアクションが生まれ、それが未来の感動に繋がるからです。

私は、「自然・品よく・心地よく」という考えをアクセサリー制作に取り入れています。軽やかに視線を上げられるアクセサリーを提供して、人々の日々をより良いものにしたいと思っています。

また、長年の夢である、作り方やアイデアをまとめた本を出版したいと思っています。私は、ワークショップで技術やアイデアを共有することが幸せを広げることにつながると感じています。現在はオンラインでも幸せを広げることができると思っていますので、学びながら夢を実現させたいと思っています。